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「マスター?ご主人様ね。どんな人?」
「マスターのことは記事にしないでください」
コミカナは組んだ足を戻す。
「どうして?」
「マスターは魔法使いの中でも特に世俗から離れています」
「じゃあ、家は遠いの?そんな場所……あ、もしかしてあっちの断崖絶壁の方?」
「すぐそこですよ」
籠を銜えベンチを降りるオッタ。
「あ、ちょっと……」
また後を追うコミカナ。
住宅街。漆喰とレンガの家が並ぶ。
段々になっていて同じような家が緩やかな坂を下っている。
日当たりがいい。庭にはそれぞれ柑橘系の樹木が植えてある。
その中の一つ。二階建ての家の前に老人がいる。
多少ツタが絡まった家。ドアには魔方陣らしきもの。
「もしかしてあそこ?地味で半端すぎる……」
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