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おじいさんの家は三軒隣の家。
家の前には道を挟んで細い坂道が下に続いている。景色が美しい。
中にお邪魔する。玄関を入ってスロープのように登る、少し高くなっているようだ。
暖炉のあるリビング。軍刀が飾られている。壁にいくつかの勲章がある。その下には花束を持った男女の人形が台の上に乗っている。
「おじいさんは兵隊だったんですか」
「十五年前の戦争が終わって退役したんじゃ」
よく見ると顔や手には日常生活ではできないような傷がたくさんある。
「人の野心は止まらん。これから先は海の外へ出て行く時代になるそうじゃな」
「おじいさんを取材するべきですかね」
「わしはもう随分と語った。語り尽くせないのも事実じゃが、しばらくはもう語りとうない」
手のひらよりやや大きい箱が出てきた。
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