ペンドラゴンの犬

第一唱・ジェントルワン

　しばらく見つめていたコミカナだったがはっと気付く。
「あ、じゃあ、私もこれで。野菜ありがとうございました。次はちゃんと買いに来ます」
「あいよ。またおいで」

　コミカナは小走りでオッタを追った。

　ゆったりと歩いているオッタにはすぐ追いつく。
　なんと話しかけていいかわからない。

　そのまま無言でいるのも落ち着かず、追いながらきょろきょろと見慣れぬ町に目を向ける。