無理矢理な祝言

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店を出た後、小腹が空いていたのでたまたま目に入った甘味屋に入る。 「いらっしゃい。一人かい?」 「ええ」 「今、店が混んでてて相席になるが構わないかい?」 「大丈夫です」 「じゃああっちの若い男の隣に座ってくれや。大丈夫。身元が分かってる奴らだから安心しな」 頷くと、案内された席へと向かう。 若い男が二人座っていた。 「あのう……相席よろしいでしょうか?」 私の声に気付いた二人は此方を見上げる形になる。 暫く沈黙になる…… 何故かしら? 「あのう……」 「あっごめん、ごめん。君が余りにも綺麗だから見惚れちゃった」 「おい!総司!」 「座って、座って~」 総司と呼ばれた男はもう一人の男の話しを聞いてはいないらしい。 「僕の隣に座ってよ」 「私は座りたい所に座ります。そっちは陽当たり悪いので此方が良いです」 そう言うと朔は総司とは反対の席に座る。 「君、こっちの人なの?」 「こっち?」 「あっ、京の人間かってこと」 「そうです。すみません、みたらし団子五本と草団子二本、熱いお茶をお願いします」 朔が隣を通った店の者に注文した。 「凄く食べるんですね」 「お昼食べ損ねてしまったんです」 料亭の料理を食べたかったのだけれど、箸をとる度に隣に座っていた父上に足をつねられて食べれなかった。 美味しそうな料理だったのに。 「君、京の女性なのに物事はっきり言うし、なんか珍しい人だね」 「京の女全員が大人しい人ばかりだと思っていたら痛い目に合いますよ」 「だって、平助」 「いっいや、早苗ちゃんはそんな子じゃないよ!」 「そんなのわかんないよ~ね、……あっ、君の名前知らない」 ……当たり前ですよね。初対面なんですから。 「私の名前は長雨朔(さく)。貴方達の名前は?」 「僕は沖田総司。で、君の隣が」 「自分で言うから。俺の名前は藤堂平助」 何処かで聞いたことがある気がする名前…… .
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