無理矢理な祝言

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「僕達、此方に来て日が浅いからまだ京の町を知らないんだ。もしよかったら、この後一緒に町を歩きませんか?」 沖田は軽い人。決定。 若い女の子なら、大衆には受けが良さそうな顔をしたこの沖田という男に付いて行くのだろうけど、生憎私は興味ない。 「遠慮します」 「うわ~ばっさりだね、朔さん。断られたの初めてだ」 凄く楽しそうに話をする沖田。 「朔さん、一人なの?」 隣の藤堂が沖田の話しを遮って朔に尋ねた。 「はい」 「朔さん、良いとこのお嬢さんでしょ?付き人は?」 しまった。見合いだったから身形が派手なんだわ。何時もは小袖なのに。 嘘をつくのも変だし…… 「さっきまで見合いでした。でも途中で抜けて……一人ということです」 「逃げて来たの!?」 藤堂が驚いた顔で朔に近寄る。 「逃げて来たわけではありません。ちゃんと、相手には結婚はできませんって伝えて、出て来ましたので」 「へ~」 沖田さんは感心したのか、興味がないのか、どちらとも取れない声を出した。 その時 「はい、おまちどうさま」 机の上には先ほど朔が頼んだ品が並ぶ。 「……美味しそう」 やっと、お腹に食べ物を入れれるわ。 .
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