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8月に入ったばかりのころ
「ねぇ!泳ぎに海行かない?」
と咲が言い出した。
「いいね♪部活も少し休み入るし行こうよ♪なっ陽人♪」
「…あぁ別にいいんじゃねぇか?」
「ねっ!夏希もOKでしょ?」
3人の視線が一気に私に集まった。
「…え、あ、うん…別にいいよ…」
消え入りそうな声が出てしまった。
「…はっきりしねぇヤツだな!」
横目で森川君がにらみながら言った。
「…ごめん…」
「謝るくらいなら最初からはっきり言えよ!」
「陽人!!」
咲が中に入ってくれた
「どうして陽人は夏希にだけきつくあたるの?」
「そうだよ…夏希ちゃん何もしてないだろ?」
「…何かしたってわけじゃねぇけど…なんかイライラすんだよ…」
「イライラって…」
「…いつもなにかに遠慮したみたいにして、あんま笑わねぇから楽しいのかもわかんねぇし…。
笑わねえってことは楽しくないからだろ!?
だったら楽しくねぇのに一緒にいるって意味がわかんねぇ!」
「……そうだよね…楽しかったり面白かったりしたら笑わないとね!」
森川君に言われた言葉はきつく感じたが、ここで受け入れなければこれからここにいられないと感じた。
他に行き場もない。
少しぎこちなく見えただろう、私は一生懸命に笑顔で言った。
「行こう!」
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