痛い陽射し

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庭に出ると暑そうに舌を出しながら木陰で寝そべっているサンタがいた。  少し遠慮がちに呼んでみる。  この暑いのに何の用?ってな顔をちらりとするサンタ。  「サンタ、散歩行かない?」 思い切って言ってみた。  マジ!?的な顔して飛び起きる。  嬉しそうに駆け寄り前足を上げ 『行こう♪行こう♪』 とねだる。  意外といい子じゃない♪ 咲はヤンチャだなんて言ってたけど。  まだ知らない町を、サンタのリードを引き歩く。  (どちらかというと引かれてる的とこがあるが…) 数分歩いていると学校らしき建物が見えてきた。  手前には体育館がある、そこからダム♪ダム♪とボールが弾むような音。  いきなり走り出したサンタに必死について行った先は…。  「ハァ…ハァ…もう…サンタ早すぎ…!?あれ?ここ…星蘭学園…。ここなんだぁ!」 なおもまだ引っ張るサンタ、体育館の開け放たれた扉の前に座りこんだ。 「何が見えるの?」 私も近づいて覗いてみた。  高くパスを上げられたボールを空中で片手でキャッチしリングに叩き入れた一人の男子部員。  ガシャン!! というリングの音とは反対に、軽くキュッと床を鳴らしただけのバスケットシューズの音。  それに反応したかのようにサンタが  「ワァン」 と吠えた。  それに気付いたその部員が吠えた方に振り返る、汗で濡れた前髪を掻き上げ。  「おい!?サンタじゃん!なんでお前がいんの!?」 森川君だった…。 .
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