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洗濯機の前、山盛りのシーツたち。
「これ全部ですか?」
「そうよ♪寮生みんなの分だから大量なの!頑張りましょう♪」
「はい!」
気合い入れた。
洗っては干し、洗っては干しを繰り返し、庭に幾重にも広がるシーツの波ができた。
夏の日射しが当たり風にたなびく。
額の汗を手の甲で拭い、シーツの波を見つめた。
「なんか…綺麗かも…」
自然に独り言がもれた。
「…あぁ。綺麗だな…」
(えっ?)
低い声が聞こえ声のした方を振り返ると、本を片手に木陰のベンチに座っている新条先輩がいた。
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