1235人が本棚に入れています
本棚に追加
/332ページ
広い玄関ホール、正面と左右に扉がある。
「さ、入って!ここが玄関!右が男子寮、左が女子寮、正面が共同リビングにつながってるわ♪」
「…はい」
いきなりの説明にじっと見つめてしまった。
「あら?やだ!ごめんなさい!まず自己紹介ね!私はこの星蘭学園の寮母を勤めてます、守田信人(もりたのぶひと)と申します♪ノブさん♪♪て呼んでね♪」
ウィンクされた…。
「…はい…ノ・ノブさん…ですか?」
「そっ♪」
テンションの高さに戸惑いつつも、先行くノ…ノブさんに着いていく。
リビングにつながる扉を開け入るように促された。
広いリビング、大人数が座れそうなソファー、その奥に食堂らしきフロアが続いていた。
キョロキョロしていると。
「まずは暑かったでしょ?お茶でも飲む?」
「あっ、はい!ありがとうございます」
「じゃ、そこのソファーに…!?って、新条君!またこんなとこに寝て!!起きなさい!」
(新条君?)
ぐるりと回り死角になっていたソファーを覗くと、静かな寝息をたてて横になっている綺麗な顔立ちの男の子が寝ていた。
さっきまで読んでいただろう本を胸の上に置いたままぐっすり寝ている。
(すごい綺麗…)
思わず見とれた。
まだ起きない男の子を肩を揺すり懸命に起こそうとするノブさん。
「…ん…」
うっすらと開いていく男の子の瞼。
「もぅ!この子ったらどこでも寝ちゃうから困っちゃうわ!!さぁちゃんと起きて!」
ゆっくり起き上がる男の子、親指と人差し指で目の間をつまみ寝ぼけた眼差しでこっちを見た。
「アンタ…誰?」
.
最初のコメントを投稿しよう!