陽射しがいっぱい

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お正月  夏希も陽人も、お互いの実家に帰り、家族との時間を数日過ごした  残り少ない冬休みを惜しむように、そそくさと寮に戻り、落ち合う  「改めて、明けましておめでとうな♪」 「明けましておめでとう♪今年もよろしくお願いします♪」 丁寧にお辞儀する夏希  「何年先もよろしくしてやる♪」 「あはっ♪」 手を繋ぎ、近くの神社へ  「去年は、ノブさん居てちょっと拍子抜けしちまったこともあったけど、さすがに今回は気を利かしてくれたな!」 「そんな言い方…去年はまだ付き合ってなかったじゃない!」 「そうだけど………俺はもう…あん時には、夏希に惚れてたからな…」 頭をポリポリ掻く陽人  「そうだったんだ…」 「あ、あぁ…なんだ…お、おみくじ引くか?」 「おみくじ?うん♪いいね♪」 二人は巫女にお金を渡し、おみくじを引いた  「わぁっ!!大吉♪」×2  二人の声が揃う  「学問順調、恋愛成就、探し物はすぐそばに!だって♪」 「俺も同じ内容っぽいぞ♪」 「凄いね♪」 「俺達の間に壁はねぇってことだ!」 「ふふっ♪」 幸せの日々が続き、卒業まであと少し  大学にも問題なく進むことも決まり、卒業を待つばかりだった  「夏希さ…」 「ん?」 1月の下旬、陽人が一つ提案した  「あと少しで、この寮も出ねぇといけないじゃん?」 「うん…」 「俺…お前と…一緒に住みてぇ…」 「えっ…?………」 「ダメか?」 「多分……」 「なんで?嫌か?」 「そ、そんなんじゃないよ?ただ…さすがにお父さんが…」 「あっ…そっか…。じゃあ夏希はどうすんだ?家から通うのかよ?」 「それは遠いから…ないと思う……。多分、お父さんがそれなりの場所探すと思うな…」 「そこがもし俺のとこと遠かったら、どうすんだよ?」 「うーん…お父さんまだアメリカだからなぁ…………そうだ!先に見付けてお母さんにFAXする!」 「そんなんでいけるかぁ?」 心配そうな陽人  「なんか大丈夫な気がする!なんてったってお母さんだから♪」 「なんだ?その根拠?」 余計に心配具合が膨らんだ  .
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