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序章
腹部に傷みが走る。
いや、傷みが走るなんてものじゃない。
焼かれるような激痛。
腹部を抑えながら、迫る死を前に、男は思う。
何故だ……。
何故私はここで死ななければならないのだ!
こんな所で、こんな死に方など、あってはならないのに。
まだ私は生きなければいけないのに……。
遠退く意識の中、走馬灯だけが頭の中をはっきりと流れる。
その走馬灯がさらに、男の悔いを煽る。
そして、息を引き取る間際、男は悟った。
ああ、これが神の意思なのか。
そうか、これは神罰だったのか……。
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