45人が本棚に入れています
本棚に追加
そう。可愛らしい女がいた。…うん。女だね。
「女ぁ!?」
「な、なんですか!?私が女じゃいけないですか?」
いや、そういうわけじゃないんだけど…
「…で、何か用?」
「いえ、その大したことではないんですけど……それ。」
そういいながら、指差す先にあるのは俺の腰にある刀。
み、見つかっただとおぉぉお!?
「やらん!これは決してやらんぞぉ!俺は第二の裏町は出したくないんだぁ!!」
「い、いりませんよ!それに訳わかんないこと言わないで下さいよ。」
なんだ。いらないのかよ。騒いで損した。
…ん?この女…
「…カネハモッテマセンヨ?」
「物盗りじゃないですよ!そしてなんでカタコトなんですか。変に怪しく見えます。」
…遊んじゃった。
「あはは。冗談だって。」
引きつった笑いを浮かべる俺をジト目で見てくる女。
……いや、ホントに冗談ですよ?
「まぁいいです。」
なんか許されちゃった。
「あなた、その刀を見るに、何かの武術を嗜んで(たしなんで)いるんですよね?」
「ん?そだよ。」
お?よく見りゃ、この女も腰に剣ぶら下げてんな。普通のブロードソードみたいだけど。
「よかったぁ。一時はどうなることかと思ったけど、どうにかなったみたいですね。」
はい?
「はい?」
思ったことがそのまま口にでてしまった。
「あ、すいません。こちらの都合で勝手に決めつけてしまって。」
…んなこと言われても訳わからん。
「よくわかんないけど、何が言いたい訳?」
「あの、…教師やりません?」
「はい?」
この返事は間違いではないはずだ。普通はこの反応で間違ってないはず。
にこやかに笑いかけてくる女と呆然とした表情のままの男…………なんか変な絵になるな。
━━━━━━━━━━━
最初のコメントを投稿しよう!