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〝謎の介入者!?〟
〝戦争は一時終結へ!〟
〝《No.s》〈ナンバーズ〉壊滅か!?〟
くしゃくしゃにされ、道端に捨てられた新聞の見出しにはそんなような文字が踊っている。
横目でそんな、ゴミと化している〝元〟新聞を見ながら俺は大きくため息を吐いた。
ここ数日、ずっと同じ新聞が発行されてる気がしてならない。
永く続いている戦争を終わらせるつもりで悪魔側の奴らも天使側の奴らも……人間側の奴らも殺してやったのに、実際は混乱が続いているし、………何より、戦争は終わりはしなかった。
…いや、これだと俺が正義やら何やらのために動いたみたいに思われるな。………まぁ、実際は単なる私怨に過ぎないけどな。
「はぁ…」
いったい今日何度目になるのか、深いため息を吐く。
すると、フッ…と、俺にさしていた日の光が何かに遮られるように暗くなった。……くそぅ、何だよ。人が日光浴をしてるって時に…。
顔を上げてみればそこには巨人達の集団が…わぉ、みんなデカいね。
「にいちゃんよぉ、珍しいもん持ってんなぁ。」
そう言って指差す先には、俺の横に置いてある、柄から鞘まで真っ黒に染まった武器……今の時代ではほとんど見かけなくなった〝刀〟があった。
んあ?…巨人が集団で囲んで窃盗?
まぁ、それよりも先ず聞きたいのは…
「…巨人?」
「あ?何言ってんだてめぇ…」
ですよねぇ。
巨人なんているはずないしなぁ…………あ。
俺が座り込んでるからコイツらがデカく見えてたんか…納得納得。
「お前、何一人でしゃべってんだ?」
わぉ。いつの間にか言葉が出てたみたい。
「…まぁいい。その武器置いてどっか行きな。」
え?あんたらまさか…
「…武術でも習いたいのか?」
「違ぇよ!単なる物盗りだよ!ってか、何でいちいち言わなきゃいけねぇんだよ!てめぇもいい加減に気付け!」
うん。いいツッコミだな。俺はこんなツッコミを待ってたんだ。
すると、いつの間にか俺に突きつけられているナイフが5、6本程目の前に浮いていた。………いやいや、ただコイツらが手で持ってるだけだけど俺から見ると浮いてるように見えただけだからね!?
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