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「てめぇ、早くそれをわたさねぇと痛い目見るぜ?」
う~ん。めんどくさいことになってしまった。
まぁとりあえず渡せって言ってるんだから渡せばいっか。
そして、無造作に手に取った刀を目の前にいる一人の男に向かって、ポイッと投げた。
ホントにゴミを捨てるかのようにポイッとね。
「おう。そうやって素直に渡せば…あぁぁ!?」
うん。面白い反応だな。
ちなみに、相手の男は刀を両手でやっと持ってるみたいな感じだ。
「…もう、無理…」
そんなことを言いながら刀を地面へと落とした。
ズンッ…
まぁ凄い音がして地面にめり込んだね。ホントに。
「て、てめぇ!死にてえのか!?」
そんな理不尽なことを言いながら俺にナイフを構える男達。
え?渡せって言ったのそっちですよ?あんたらバカですか?
「てめぇ!そんなこと言うってことは本当に死にたいらしいな!」
ありゃ。また言ってたみたい。どうやら、勝手に口から本音が出ちゃうみたいだねぇ。
っと、先程刀を投げ渡してやった野郎が怒り狂ってナイフを突き出してきやがった。
…遅っ!
俺からしてみれば遅すぎる速度で左胸の心臓へと向かってくるそれ。こんな時間があればあんたらなんて数十回は殺せちゃうよ。
そんなこんなで、ナイフは左胸へ到着。
結果としては俺の黒い衣服にちょっとした傷をつけただけでナイフは砕け散ってしまった。…………ナイフ弱っ!ってか、コイツも弱っ!
まぁ、予想通りというか、コイツらは目を見開いて驚いてた。
…やっぱり面白い。
「てめえ!?何もんだ!?」
俺がゆっくりと立ち上がると、男達はバッと後ろにに下がってナイフではなく手をかざしてきた。その手には各々、思い思いの魔法が………まぁ、結局全員火の魔法だったけど。
それが手のひらサイズにとどまって掌の上に浮いていた。
「…何もんて聞かれても、人間としか答えられないんだが。」
「知ってるし!!ってか、そんなこと聞いてるんじゃねぇわ!」
あ、やっぱり?
「確信犯か!?」
やばいやばい。また口に出てた。
でも、コイツら面白いな。いいツッコミスキル持ってるみたいだし、殺すのが勿体無く思えてくるわ…
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