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「ふざけた野郎だ。やっちまえ!!」
うわぁ。悪役っぽいセリフだなぁ。
っと、やばいやばい、もう目の前まで魔法が迫ってらぁ。喧嘩っ早い奴らだなぁ。
まぁ、流石に火の魔法なんかくらえば熱いからな。防がせてもらうけどね!
右手を軽く振るうと、目の前に迫っていた火の魔法は掻き消え、後ろにいた男達を突風が襲った。
「くっ!、てめぇ、風の系譜の魔法を!?」
あん?
こいつら何言ってんだ?
手を振っただけじゃねぇか。
「まぁいいや。あんたらが先に〝攻撃〟してきたんだからな?これはれっきとした〝正当防衛〟だよなぁ?」
左手で拾った刀を腰に差し、驚きの色を隠せない男達に殺意と言う名の贈り物を。
ゾッ…
男の喜々とした表情を見た男達は皆一様に背筋に寒気をはしらせた。
コイツは自分らとは違う生き物。自分らが手を出していい〝存在〟ではなかった。
本能的に気がついた男達が最後に聞いた音は………
チン…………
「弱ぇな…」
次の瞬間には男達の視界は真っ黒に染まった……
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「う~ん。いい景色だねぇ。」
地上から約1000メートル程上空を飛んでいる俺は絶景に目を細める。
…間違えた。
〝飛ばされている〟だった。
それはいいとして、下を見れば、うじ虫が湧くかの如く、多数の気持ちの悪い物体が………
悪い。物体じゃなくて、人間と悪魔と天使だな。
そいつらが各々の軍の鎧を着込んで争っているのを見ることができた。
既に130年もの永きに渡り、ここ、現界の〝クレール大平原〟を主戦場とし、三界を巻き込んだ戦争は行われていた。……チッ、反吐が出るな。
ここだけでドンパチやってんなら別にいいんだが、当たり前のように天界でも現界でも冥界でも、至る所で殺し合ってるんだから、たちが悪いったらありゃしねぇ。
で、俺が何で上空を気持ちよく飛んでいるかというとだな…
……まぁ、簡単に言えば、攻城兵器の〝バリスタ〟っつう、デカい槍みたいなのを放つカタパルトに〝俺〟が乗って、そのまま射出ってな感じだ。
どうだ?楽しそうだろう?
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