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こいつら……バカ?
ズン…
瞬間、自分にかかる重力が極端に増えたかのように圧迫感が、上から降ってきた男から発せられた。
「っ!?」
近付いていた人間も驚きの顔を見せ、その場から瞬時にもといた場所へとさがる。
「…なぁ。」
ズシリと、身体の奥底まで響いてくるその声。
「アンタら、…バカ?まず人間っていうことで天使やら悪魔やらとは敵だろうが。何で〝即殺〟に徹しない。…そして、そこのバカな人間のエリート部隊………〈ナンバーズ〉だったな。何の情報もない奴がいきなり〝乱入〟してきたんだぜ?その時点で俺をアンタらの敵として認識しにゃあ駄目だろうが、この阿呆。」
「……………。」
…んぁ?何で誰も言い返してこないんだ?こんなボロクソ言ってんのに…………あぁ!
俺は一人納得して、周囲に発していた〝威圧感〟をおさめる。
するとどうだろう。周りからはすんげぇ量の魔法が俺目掛けて飛んでくるではないか!
くそぅ!危ないだろうが。………まぁ、即殺しろって言ったのは俺だから仕方ないけど。
しかも何だ!ほとんど上位にランク付けされる魔法ばっかじゃねぇか!
俺を殺す気なんか!?コノヤロウ。
あ、即殺しろって言ったの俺か……なんかエンドレスだな。
って思ってる間に、俺の周囲360度に迫った魔法の数々。
ふむふむ。ほとんど雷の系譜の魔法だねぇ。まぁ、確かに雷魔法は他の系譜に比べても上位に入る魔法だから当たり前かねぇ。…それにちっとばかし速いんだよなぁこれが。
チン………
一回、鍔鳴り音が鳴った。
「…え?」
誰ともなしに声が出ていた。その声の出所は天使か悪魔か人間か。
ただ一回鍔鳴り音が鳴っただけで、男の周囲を覆っていた魔法は一瞬で消え失せていた。
「〝神斬り〟〈かみきり〉」
腕を組んで立っているだけの男のその呟きがやけに大きく耳に響いた。
自分達に向かって何かが迫ってくる感覚があった。
でも、身体はまったく反応を示さない。
「弱ぇな…」
誰かの声が聞こえた瞬間、視界が真っ黒に染まった…
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