菊咲さんちの長女

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じゃあ、まずは我が家の長女から起こしに行こうと思う。 別に年功序列というわけじゃないが、上から順番順番に行ったほうがわかりやすい。 というわけで、俺はアイツの所に向かった。 「で、何か言い訳ある?」 なぜだろう?なぜ俺は自宅のフローリングとアツい抱擁を交わしているんだろう? 原因はわかっているが理由がわからない。 「なんで妹が着替えてる最中の洗面所に兄がずかずかと乗り込んで来たのか聞いてんのよ、クソ兄貴」 そう、あのあと俺は先程も訪れたこの脱衣所兼洗面所に向かった。 理由は簡単、この時間帯ならコイツは自室のベッドではなく、ここにいるだろうと思ったのだ。 俺の考えは正解。どんぴしゃりだった。 しかしタイミングは悪かったらしい。 どうやら着替えてる最中だったらしく(ワイシャツとスパッツだけだった)コイツにメシのことを伝える前に、俺は奴の空気も焦げそうな速度で打ち出された拳に、見事なK.O負けをした。 「ほら、とっとと言いなさいよ、それがあんたの最後の言葉になるんだから」 「…………」 俺は死ぬんですか? てか殺されるんですか?
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