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「紫眞-シシン-様。そろそろお支度を」
ただ今、ワタクシがお呼びした紫眞様こと、心迷館三代目当主 来栖紫眞-クルスシシン-様は、それはそれはお美しい方なのでございます。
「うむ」
気怠そうにあくびをなさるお姿ですら優雅でいらっしゃいます。
「左近-サコン-」
白磁のような滑らかな肌に、少々冷めた様に感じさせられますその深い紫紺の眼で見つめられますと、
「おい、左近」
人やモノノケは勿論のコト、御仏ですらも(おそらく)魅了されるのでございます。
「聞いておるのか? 左近!!」
初代よりお仕えしております、ワタクシ 神狐級のモノノケですら心揺さぶられる有り様…それはもう、まさに、そう!!
「おい、コラ、左近!!」
「か・み・の・イ・タ・ズ・ラ!!!」
あら? ワタクシといたしたコトが。
「いつもの事だから仕方ないと、私が、申すと思うかこの…バカ狐!!!」
少々お言葉が乱暴ではありますが、紫眞様のお声は心の臓にギュッと来るのでございます。
名を呼ばれれば…もう…それだけで…あぁ…
「い…如何様にでもなさって下さいっ」
たまりませんっ!!!
地に平伏し、身悶えする程の催淫効果があるのでございます。
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