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おそのの目には一粒の涙が流れていた。良き仲間であり幼なじみである助八の死をまだ信じたくない様だ。
「おその殿・・・そちの気持ちはわからぬ事は無いぞ。だが今は助八の霊を静かに送ってやってくれ・・・」
加納はおそのをそっと慰めるように言った。半蔵はただ、見守るしか出来なかった。
すると
「加納様、お話したいことがあります」
その声は加納に慕えるある大名の声であった。それを聞いた加納は返事をする。
「何かあったのか?一体どうしたのじゃ?」
大名はこう言った。
「伊賀から来たくの一で、"お美代"という者が江戸城の門の前にいるんですがね・・・」
その話を聞いた半蔵はすかさず返事した。
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