困ったちゃん

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困ったちゃんは時々私に薬を煎じて飲ませてくれます。 私はそれをごくごく飲みます。 しかし、器の内を全て飲み干す事は出来ません。 私は当然満足することは出来ません。 困ったちゃんは、なぜ私が全ての中身を飲むことが出来ないのか知っています。 ですから、飲みかけの器にまた薬を注いでくれます。 優しいのです。 困ったちゃんは。 私はそれに依存しています。 辞める気はありません。 そう思うしか、私の心に扉を設けることが出来ないのです。 私は困ったちゃんの家と私の扉を繋げようと工事をしています。 難航はしそうにありません。 至って簡単なのです。 ですが、 それが容易なだけ、 私の心は痛むのです。 悔しいのです。 それをそうさせる困ったちゃんの宝に対して。
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