第一章 異変

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日本のとある山奥にある村。 そこのまわりに田んぼしか無いような一本道で自転車をこいでいる少年がいた。 「あーダルい。チャリとかめんどくせー」 こうぼやいたのは工藤結城である。 工藤は一年前にここに引っ越してきたばっかりで、それまではずっと都会に住んでいたのだ。 ここは360°山に囲まれていて、電車は通っておらず、バスもほとんど無い。 町中にビルが建ち並び、交通機関も充実している都会とは大違いだ。 最初から田舎に住んでいればそういう不便さにも慣れていたのかもしれないが、都会での生活が当たり前だと思って生きてきた工藤にとっては尚更今の現状はつらかった。
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