第一章

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「翔ー!早く起きなさーい」 「ん……ふわぁ~あ」 母親の声で目を覚ます少年。 「もう起きてるよーー!!」 少年は大きな声を出してから、目を擦りボサボサの茶髪を掻く。 そしていつの間にかオフになっているアラーム付きの時計に手を伸ばす。 「わぁぁぁあ!!!」 少年はベッドから起き上がり、急いで部屋を後にした。 リビングに着くと、母親が朝食の食パンをかじっていた。 「何でもっと早く起こしてくれなかったの!?」 「起こしたわよ。一回で起きないあんたが悪い~」 母親は少年に見向きもせずに呟く。 あぁ、もう!と頭を掻き少年は玄関に向かう。 「朝ご飯は~?」 リビングから母親の能天気な声が聞こえた。
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