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───……~ん!起きて下さ~い!!
遠くに、誰か知らない人の声が聞こえた。
【わぁぁぁあ!!】
「うわぁぁぁあ!!」
突如耳元で大声をだされ、少年は反射的に起き上がった。
「わわっな、何?何なの!?」
【やぁ~と起きましたか~】
「……誰?」
少年は今の状況が理解出来なかった。
少年の目に映ったのは、黒い髪、黒いスーツ、そしてそれに身を包む女性だった。
しかしその顔はまだ幼く、女性というよりは少女という方が目の前の人物には合っているのかもしれない。
少女の、後ろで一つに纏めるポニーテールが彼女の幼さをより際立たせていた。
【え~、神童翔【シンドウカケル】、十四歳中二中肉中背。
茶色の髪と目は生れつきで、成績は中の中。
死亡原因はっと…】
少女が手元の機械を眺めながら独り言のように呟く。
死亡原因?
この女の子は何を言ってるのだろう?
神童翔って誰だっけ?
少年は未だ混乱の中にいた。
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