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今から10年前までは、秀一は1人暮らしではなかった。秀一の他に、まだおじさんの正一、おばさんのトミ子がいた。その頃までは秀一も生物を大事にしていた。2人を永遠の眠りに導いた、ある出来事が起こるまでは………
ある夏の日、正一は山の麓の森に山の幸を取りに行っていた。
正一はよく山の物を取っては、家の食事の材料にしていた。これはよくあったことなので、秀一は特に心配もしなかった。
だがその日、正一は帰ってくるはずの時間になっても家には帰ってこなかった。これを心配したトミ子が心配して、森の中に行ってしまった。秀一は「危ないよ」と声をかけ、トミ子を止めようとしたが、その言葉に耳を傾ける事もなく、トミ子は行ってしまった。
そして、2人は帰らぬ人になってしまった。
正一は山の麓で熊に襲われ出血多量で、トミ子は森の中でスズメバチに刺され、重度のアナフィラキシーショックで、遺体の状態で森の中から発見された。
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