ポチタマシリーズNo.1(完)

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ポチタマシリーズNo.1(完)

  あなたに 仕えると   忠誠を誓ったあの日   私たちは   初めて生きる意味を手に入れた――         ポチタマシリーズNo.1 --出会い--   体が白いからと、親や仲間、そして主人となる吸血鬼の方たちからも疎まれていた幼少の頃。 私とタマはいつも二人離れず離さず側にいた。   そんな、ある日。   「おっ前ら珍しい色してるなぁ」   突然現れたあなたは開口一番そう言った。 また疎まれ蔑まれると怯えていたタマをさりげなく後ろに庇っていた私はあなたのその科白に呆気にとられた。 そんなことも構わずに、あなたは目をキラキラと輝かせて私たちの髪や肌に触れ、目の色をじっと不躾に眺めてくる。   「へぇ、成る程。噂通り真っ白なんだなぁ。あぁでも目の色は噂とは違うな。でも珍しい」 「あ、あの」 「そっちのビクビク怯えてるのも白いな。お前等確か双子だったよな」   私の後ろで小さくなっているタマがぴくりと肩を跳ねらせてコクコクと頷いた。 あなたはニヤリと笑みを浮かべるとスッと私たちに手を差し伸べた。   「よし。決めた。お前等俺に仕えろ」 「・・・え?」   呆然とする私たちに、あなたは笑みを絶やさず宣言した。   「今日から俺がお前等の主人だ。文句は聞かない拒否権はない。お前等の全てを俺に差し出せ」   その俺様命令に、最初私たちは何を言ってるのか理解できず頭がついていかず、ただ唖然とするしかなくて。 もたもたしている私たちに苛ついたあなたは私たちの手を強引に掴んだ。   「ほら!早くしろよっ」 「え…あ……」 「あ……あの…」 「なんだよ、もしかして言葉を忘れたのか?」   訝しむあなたに私は首を横に振った。   「そうじゃないです……あの」 「じゃぁなんだよ?」   「………本当に、私たちでいいんですか?」   黒が普通の私たち蝙蝠。 白は、奇妙。異端。 はみ出しものの出来損ない――。 そのことを知らない筈はない。ましてやあなたは大貴族のご子息だ。 けれど、あなたは不敵に笑ってみせた。   「それなら、俺もはみ出しものだ」   その言葉に目を見開く私とタマ。 けれどそう言った当の本人は相変わらずニヤニヤ笑っていて。 私たちはまさに毒気を抜かれた気分になった。   「さぁ?わかったら言葉を言え」   その最初の命令に、私たちは目を合わせて頷きあって。   『――あなたに永遠の忠誠を』   コレが始まり。
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