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ポチタマシリーズ②完
● ポチタマシリーズ②
あの方に仕えて、数日が経った。
周りの視線は、ただただ刺々しいままだった――
――名前――
「セイレンシィナカンタレーヌ、シイランシャヌコンターラ…………だぁぁ!!長い!」
名前を呼ばれて振り返った途端、あの方はテーブルを乱暴に叩きつけこめかみを痙攣させていた。
タマ……その日まで、――シイランシャヌコンターラだった――が、おどおどしながらあの方の側に寄る。
「ど、どうされました?」
「どうしたもこうしたも、長すぎだ!」
「うえっはうっスミマセンッ」
「もっと短くなんないのかっ言いにくいったらったくっ」
ぷんぷん怒りながら、腕を組みどかっとまた座る。タマは今にも泣き出しそうになりながらどうすればいいかと私を見つめていた。
「……マスター、それで、御用はなんでしょうか?」
お茶の用意を一先ず中断して、シイランシャヌコンターラの隣に並ぶ。
「ん?あぁ、……よし!決めた、今からセイレンシィナカンタレーヌはポチで、シイランシャヌコンターラはタマだ!」
「は?」
御用を聞いたのに。どうやらまだ名前の話は終わっていなかったようだ。
ようやく満足したのか、私たちを放って一人うんうん頷いている。
私は、いまいち理解出来ず、遠慮がちに尋ねてみた。
「あの、それは、どういう……」
「だから、お前は今からポチだ。で、お前がタマ」
シイランシャヌコンターラ――タマを指差しながら言う。
私はつまり、と呟いて。
「改名、ですか?」
「覚えやすい、言い安いだろう?昔飼っていたペットの名前だ」
ふふん、と胸を張るあの方に、某動物ネームランキング一位の名前なんて嫌だとハッキリ言えず、私は苦笑を浮かべるしかなかった。
その日から、更に周りの視線が冷たくなったが、あの方が良いのならそれでいいか。と、仕方がないので納得する私とタマ。
改名と同時に、魂の名さえあの方は掴んで、変えてしまったのは、やはりあの方が規格外なためだろう。
end。
あれ――……なんか、最後微妙な終わり方しちゃった……。
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