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呪われし姫君 ずっと 紙飛行機を飛ばし続けていた それが読まれることなく燃やされているのを知っていた 呪われてしまう と人々が怯えているのも知っていた それでも 誰かに信じてもらいたくて 紙飛行機を飛ばし続けた ある日姫は 鉄格子に一羽の鷹が止まっているのを見た 恐る恐る近づいてみると 鷹の脚には一枚の紙がくくりつけられていた 貴女は本当に呪われていないのか その紙にはそう記されていた もし私に特別な力があるのなら こんな所抜け出している 姫は紙にそう書き その紙を鷹の脚にくくりつけた 鷹は飛び立った 姫の小さな希望と共に
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