出会い

5/28
前へ
/103ページ
次へ
うわぁ、からまれた……。 帽子から長髪と思われる黒い髪束がゆらゆら揺れていた。 よりによって大切な告白の日に、 変なのに会ってしまった。 あ。これが噂に聞くあれか、……カツアゲか? 男は、大きなサングラスをはずした。 思ったよりも小顔で、 鼻筋が通ったせいたんな顔立ちをしていた。 そして、 眼を見て男ながらにドキっとした。 一見無気力そうな眼の奥には、したたかな自信と色気を宿している。 ……モデルっぽいかも。 それにしてもやっぱり、 同じ大学の人でも、 いつかの同級生でもない。 ていうか、年上か。 「キミの名前~」 薄いくちびるから、 白い歯がのぞいた。 「結人くんだよねぇ」 えっ!?
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加