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うわぁ、からまれた……。
帽子から長髪と思われる黒い髪束がゆらゆら揺れていた。
よりによって大切な告白の日に、
変なのに会ってしまった。
あ。これが噂に聞くあれか、……カツアゲか?
男は、大きなサングラスをはずした。
思ったよりも小顔で、
鼻筋が通ったせいたんな顔立ちをしていた。
そして、
眼を見て男ながらにドキっとした。
一見無気力そうな眼の奥には、したたかな自信と色気を宿している。
……モデルっぽいかも。
それにしてもやっぱり、
同じ大学の人でも、
いつかの同級生でもない。
ていうか、年上か。
「キミの名前~」
薄いくちびるから、
白い歯がのぞいた。
「結人くんだよねぇ」
えっ!?
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