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その学園はエスカレーター式で殆んどが初等部からの仲…
どうしてこんな事になってしまったのか、未だに分からない。
―そんな入学式。
高等部の女生徒会長のイメージは"クール"
160cm後半はあるだろうすらりとした体躯を制服におさめ、毛先に軽いウェーブのある髪を肩の辺りで揺らし、静かに壇上に現れた。静かに、鎮まったその瞳の威圧感はハンパなくて…興奮した新入生を一瞥。体育館は水を打ったように静まり返った。
「ーっっっだぁ!!かぁーたぁーい!!!」
静寂を破ったのは、白黒な斑頭の細い体躯の男子生徒だった。
すたすたと生徒会長の前まで進み、にっと笑い、
「俺がやる」
―…は?
「えー、こほん。皆さんおはよー生徒会副会長でっス☆」
生徒会長の横でにっと笑うその男。並んだ二人はほぼ同じ身長なのに、会長の方が静かな重いオーラなら、彼は軽そうで深い、底の見えないオーラを醸し出していた。対極のようで同じ、そんな副会長の出現に体育館は再びざわめいた。
「法律を侵さず校則は基本守って、有意義な自分らしい生活を送るように!」
真面目なんだか不真面目なんだかよく分からない言葉の後、副会長なる男は極上の笑みで壇上を降りた。生徒会長は未だ無表情でそれが逆に怖かった。
「初めまして。生徒会会長、蒼裁狂華<アオタチ クルカ>と申します。」
俺の学園生活が始まった。
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