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「…話って、なんだよ。」
とりあえず軽く腹ごしらえも終わって、ようやく本題を切り出すことにする。
『竹ちゃんは、三村のことが好きなんだね。』
ふと、内村さんに言われた事を思い出して
自分の今置かれた状況を見る。
…今、なんじゃねぇの、これ。
「あのさ、大竹」
「あのさ、三村」
同じタイミングでお互い切り出してしまって
お互い顔を見合わせてみたら
似たように変に難しい顔をしていて。
なんだか可笑しくなって、二人して笑った。
「なんだよ、人に話振らせといて、自分で話ちゃうの?」
「いや、なんかこうね、思い出し言いっていうか?」
「大竹顔おかしかったし、」
「お前が言うな、お前が!」
今さっきの緊張してた空気はどこへやら
いつも通りのお前にちょっと安心したなんて、いわねぇけど。
「…んで、なに?大竹から言いなよ。」
急にまた真剣な面持ちになってお前が言うもんだから、なんだかこっちまでピン、とした気持ちになって。
「…俺が、言うの?」
「え、言わないの?じゃぁ俺から言うけど…」
また一瞬馬鹿みたいな顔に戻ったお前が言うから
「いや…俺が言う。」
このタイミングと気持ちを逃したら、もう一生言えない
そんな気が、俺を後押しする。
「三村…お前が、好きだ。」
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