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こくりと小さく頷き、女は眠気が来たのか眼を擦る。
『よくご存知で…』
傷顔の男は苦笑し、女の頭を優しく撫でると一緒に横になった。
「イロイロな?…まぁ今はお前はオレのもんだからいいが…」
女は傷顔の男に擦り寄り布団をかけ、傷顔の男の話しに耳を傾ける。
「いつかは今じゃなく、ずっとオレのもんになれよ?」
『私には勿体ない言葉です…貴方には私の様な身分のものは…んっ…』
傷顔の男は女が言い終える前に黙らせるかのようにキスをすした。女は傷顔の男の意外な行動に目を開き驚いたがそれを受け入れる。
「次、お前に会いに来たら連れて帰る…解ったな?」
覆いかぶさる傷顔の男はそう告げると元に戻り布団をかけ直す。
『えぇ…ありがとうございます』
女は嬉しそうに微笑むと再度、傷顔の男に擦り寄った。
「愛しているぞ」
『はい、私も愛してます』
互いに想いを告げ、二人は眠りにつく。
そんな夜は静かに時を刻み更ける。
その後二人がどうなったかはわたしは知らない…
人知れずの傍観者だから。
二人に幸あらんことを祈り
次の場所へ。
終演
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