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男は森を彷徨い歩いていた
薄暗い、湿った空気の中で動物達の声が木霊する
『…ハァハァ…』
草木を掻き分け、道無き道を何の躊躇いもなく突き進む
『遊びましょ?…クスクス』
少女の様な声が聞こえてきた、男は見渡しても声の主を見つけることができない
『ねぇ…遊ぼうよ~?アハハ』
今度は少年の声が聞こえたが男は迷わず真っ直ぐに進んでいく
『あなた…私と遊んではくれないの?』
『俺が何をしたと言うんだ!!!!』
声は森の中で木霊して、鳥達が飛び立っていった。
男は頭を抱え込み、座り込んでしまう
『━━━!!!!…私はどうしたらいいのだ…』
男は名前を叫んだだろうか…またもやそこだけが掠れて聞こえない。
『こっちに来て…あなた』
なんとか立ち上がり、声が聞こえる方に歩んでいく
『まだこっちだよ♪』
少年の声に変わっても
『こっち!!』
少女の声になっても、男は声の聞こえる方に歩いていくと開けた場所に出た
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