誘う手の群れ

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暗闇の中、数メートル進んだところに壁が薄く光を放つところがあった。 ふたりは歩を止めてその部分に懐中電灯の光を当ててみた。 「なんだあれ?」 昌人が言った。 「さあ……なんかもう少し奥のほうで光っているみたいだぞ……行ってみるか?」 「ああ、なんか秘密の宝物があるかもな」 昌人の心を覆っていた恐怖心は一気に興奮へと変わっていた。 それは輝彦も同じだった。 真っ暗な洞窟の中で光を放ったものに対して興味を抱かないわけがない。 「行くか?」 輝彦が言う。 「よし!」 昌人がそれに答えふたりは早足でそれに向かって歩き出した。 そしてソレを見てしまった瞬間、ふたりの身体に猛烈な旋律が駆け抜けていった。 「うわぁ!」
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