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━六郷地区
光は神崎に言われた六郷の山道に来ていた。
季節は七月、太陽光と昼の気温で蜃気楼が立っている。
光
(ここだな、道の至る所にタイヤのスリップ跡がついてる、しかもまだ新しいな…)
ジリリリリッ
心地良いチェーンの音がして、急カーブを曲がって来た男が光の前でブレーキを掛けた。
「ふー、初めまして。君も練習?」
その男は、タオルで額の汗を拭い、爽やかにそう言った
光
(コイツが三橋…それよりあのカーブをノーブレーキかよ…)
光は直感した。この男がこの町で一番速い男だと。
光
「アンタ、三橋だろ?俺と走ってくれ」
三橋は少し戸惑い、返した
三橋
「…挑戦者か、久しぶりだな、タイマンで走るの。いいよ、やろう」
光は久しぶりに“緊張”していた
しかし
それ以上に“興奮”もしていた。
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