神速の男

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スタート地点に立つ二人、コースは車一台半ほどの狭い県道。 アスファルトで舗装はされているものの、カーブが多く、何より“下り坂”である。 スピードの調整、ブレーキのタイミング チャリンコバトルでは下り坂が最も上級者向けのコースなのだ。 ギャラリーも無く、響き渡るのは蝉の鳴き声だけの午後の昼下がり 光は、自分の心臓が高鳴っているのを嬉しく感じていた。 三橋もまた、同じ心境であった。 三橋 「このコインが地面に着いたら、スタートだ」 二人の運命を決める、 スタートの合図のコインが、三橋の親指に弾かれた。 ピッ GO!
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