犬と猫と

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*** くてん、と突っ伏した机はひんやりとしていたようで、にへらと不細工な笑みを浮かべる草太にムカついてデコピンをひとつ、見舞ってやった。 「ってぇ、なにすんだよ、あで」 「別に」 「答えになってねぇし」 たんこぶできたらどうしてくれんだと口を尖らせる草太は年齢よりも少し幼く見えた。きっとこいつに来年受験生だなんて自覚はないに違いない。 「お前高校行く気あんの?」 「なんで?」 「この時期になってもまだ昼から放課後までぐーすか寝てるやつが行けるわけねーだろ」 「だって、あで起こしてくんねんだもんよ」 「それは俺のせいじゃないだろ」 くわ、と大きな欠伸をして目を閉じたまま、眠いしさ、と悪びれなくそんなこという草太はこのままほっとけばまた夢の旅にでてしまうだろう。 「草太、顔あげろ。寝んな」 「んー」 「よだれ垂れてんぞ」 「ふ、垂れてねーよばか」 目を閉じたままにたっと口端を引き上げた草太は、重たそうな瞼をゆっくりと持ちあげその瞳に俺を映すと、やっと体を起こした。
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