犬と猫と

6/19
前へ
/19ページ
次へ
俺が甘やかしたいときには絶対知らん顔するくせに。 「なあ、なんで俺犬っぽいって思ったんだ?」 ふと、じゃあ俺が犬と呼ばれんのはどうしてだと考える。 何を根拠に草太は俺を犬だと思ったんだろうか? 「なに、突然」 知り合って一年間一度も聞かなかったことを今更聞いたせいか、草太はきょとんと目を丸くした。 「別に。なんとなく」 「へー」 「で、どうなんだよ」 「まあ強いて言うなら」 喜んでしっぽ振ったから。 「は?」 「俺とはじめて目があったとき、あですげー期待に満ちた目で俺のこと見たじゃん」 「見てねーよ」 「いや、見てた。相手してもらうのよだれたらして待ってんの。忠犬あで公?」 「ふざけんな」 「あとはーご主人様に忠実なとことか?」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

81人が本棚に入れています
本棚に追加