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はじまり
「ご飯食べないの?」
「遅刻しちゃう!」
「あんたこの前も保健室に運ばれたでしょ?また倒れても知らないよ!」
青空のどか。9才。
学校ではクラスの副委員長である。
別に立候補した訳じゃない。
1学期の終わり、以前の副委員が家の都合で他校に転校し、成績が上位だからと代わりを任されたのだ。
母子家庭で母親はパートで働きながらのどかを女手ひとつで育てている。
家は豊かではなかったがのどかは不幸とかそういうものは感じたことはなかった。
友人から家族旅行の話を聞いたときは羨ましかったが、だからと言って親にせびって迷惑をかけるなどのことはしなかった。
副委員に選ばれたことを母に話すと「良かったじゃない」と喜んでくれた母。
母親との生活がこんな感じでいつまでも続くことがなによりだった。
ところがある日のこと…
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