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練習場に響く
メトロノーム。
いつもの場所
いつもの音
そんな日常に
今日は非日常の音がした。
「水泳部…か……。」
8月の初め頃で
今日はとても暑いと
母さんも言ってたっけ。
私はひとつ溜め息を
ついて、再度弓を動かす。
お気づきかもしれないが
わたくし
松平 藍子、
吹奏楽部所属、
コントラバスセカンド担当なんです。
今日は先輩が
風邪で休みのため
大好きな基礎練が
できる。
――――――――ばしゃ
「なんか…今日……調子良くないかも…。」
―――――ぱしゃ
「………うーむ。」
―――ばし「ああああ!!!
うるさ-------------い!
水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部なんか水泳部…」
「藍子―。って!!
をい!誰呪ってんのよ!!
水泳部にはいい思い出ないからって…」
「…………わかってる。
だから…それは言わない約束でしょう?」
「……………ごめん。」
そう。
私は、
一年前
水泳部の初彼を
殺された。
大好きだった。
だから
復讐するまで
次の恋は
お預けにした。
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