イチ

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「はいよ。」 微笑んで渡すと彼女は複雑そうで嬉しそうにしていたその顔を少しだけ赤らめた ―かわい……ぃ… これ、なんなんだ…… やばい 「あの…。」 「…ぅあっ!!はいっ。」 「なんでですか。貴方はだれですか!!?」 「はいっ俺はこの高校の二年。神崎 咲翔って言います。因みに部活は・「水泳部。」 「…え?」 「水泳部…なんでしょ?」 俺が無言で頷くと彼女は微笑んでこういった、 「ねぇ、貴方部活を辞めてよ。」 …………………… …………… 「………えぇっ??」 「リアクションまで… ほんとに辞めて。 貴方だって、誰かの代わりとして、恋愛対象に見られるのは…… 嫌…でしょ?」 彼女は何を言ってるのか どうして俺なのか どうして彼女の頬に涙が つたっているのか…… 「俺には…… わからない…」 「………。」 「理由。」 「え?」 「理由を言ってくれ。 じゃなきゃ俺は…」 「俺は……?」 「辞められない。 ここで大切なヒトを…… 亡くしたんだ…。 この場所は… あの人の形見なんだよ。」 気付くと俺は涙を流し 彼女は驚きで固まっていた 「……そっか…」
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