第四話 ヒロイン

50/51
前へ
/619ページ
次へ
盟「・・・んー?確か今回で通算901回目の告白、でしたよね?もうこれは常識はずれな数なので、そろそろ真剣にストーカーの被害届を考える所ですね。」 僕が黒歴史に悶えていると、それを華麗にスルーして盟が尋ねてくる。 僕「ん、ああ。確かに累計でそれくらい由宇に告白したけど、・・・したけれど!」 「何で盟が普通に知ってるんだよ!?」 僕と由宇の二人だけのイベントを、なんでその妹にその情報が筒抜けなんだよ? ドウカシテルゼ! 盟「・・・それはですね、 一昨日の夜に、珍しく姉さんが上機嫌で帰ってきたので、その理由を聞くと、なんとお兄ちゃんの告白が900回を突破したらしいじゃないですか。 姉さん嬉しそうでしたよ、一昨日は。」 由宇が僕の告白の数を喜んでいた、だと? ・・・まず、あり得ない。 というか、想像できない。 僕「んーと、由宇の反応についてはいつもの盟の嘘だとして。・・・だけど盟?僕と由宇は昨日も会っているんだよ?何故告白がなかったと思ったんだ?」 盟「・・・それは昨日、お兄ちゃんの告白があったとしたら、例え忌み嫌うゴキブリを見た後だとしても、姉さんの表情にほんの耳掻き一杯分くらいの嬉しさが混じっているはず、ですからね。」 ハハハ、ご冗談を。 そんなわけないだろう。 ここは単純に、姉妹の勘、ってコトにしよう。 というか、ゴキブリのくだりを知ってる、ってコトはさっきの会話を聞いてやがったのか、この嘘吐き娘。
/619ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9849人が本棚に入れています
本棚に追加