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伊野「いいかい?藪良。キミのその『由宇とラブラブ説』とかいう、ふざけた妄想を打ち壊すため、はっきりくっきり言っておこう。」
「僕は!由宇に!嫌われています!」
ドン!と、胸を張って宣言する伊野。
しかし、
オレ「・・・・・・嫌われて、いる?お前がか?」
伊野の言葉に、納得できない。
いつも傍からみている限り、違うと思う。
というか、嫌われているというよりは、むしろ・・・
伊野「よし、そこまで疑うのなら、実際に証明してみせるよ。よく見ててよ?」
そう言って、伊野はすたすたと、教室のある場所に向かった。
長木由宇の席だ。
このクラスには、普通レベルの女子が大半だが、ちらほらとわりと目立つ美少女が在席している。
その中でも、一番を決めるとしたら、真っ先に『長木由宇』の名前が挙がるだろう。
まぁ、そういったどうでもいい、ありふれたイベントには、率先して自称脇役の伊野がからんでくるし、
その伊野がヤケに長木を推しているから、一番に挙がるのだが。
その長木は、昼休みはいつも自分の席で、本を読んでいるコトが多い。
今日も、黙々と分厚いハードカバーの本を読んでいる。
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