第六話 密室

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パサパサでモッサリした落ち葉の山を降りて、パジャマの埃をはらう。 ふむ。見事に無傷だ。 落ちた時には瞬間的な痛みはあったものの、 僕の足には骨折どころか捻挫、打撲、痺れ等が一切なし! 立ち上がってすぐに、ヒョコヒョコと、裸足で芝生の上を歩けた。 なんだか一人で騒いでいたのが馬鹿らしく思えてきた。 家の周りを見渡してみる。 うん、誰もいない。 こんなたいしたコトのないコトで、もしも近所の人が駆けつけてきてくれたとしたら、申し訳なく思う。 それこそ本当の近所迷惑である。 今さっきまでアレほど来てほしいと思っていたにも関わらずに、だ。 ・・・僕って本当に気分屋だなぁ。 でも、仮にも二階から落ちたのだから、助けを求めるのは至極真っ当な反応だと思うよ。 だけどそれは、ただ自分から飛び降りただけなんだけど。 それも、気分で。
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