第六話 密室

29/67
前へ
/619ページ
次へ
由宇「・・・はい?」 唐突な僕の質問に、呆気にとられたパジャマ姫。 僕「よく考えてみたら、あり得ないんだよ、君が僕の部屋から出るコト事態が!」 由宇「・・・どうして、あり得ないのかしら?」 僕「思い返せばあの部屋は、実に奇妙な密室だったからだよ。だから、君が部屋から出るのは不可能なんだよ。」 由宇「・・・今こうして、私は貴方の部屋の前にいるのだけど?」 ほら、と手を広げてアピールする由宇。 僕「それがあり得ないと言ってるんだよ!? ・・・いいかい?一旦状況を整理してみようか。 僕がベッドで目を覚ました時点で、君は部屋にいなかった。 そして、部屋の床にはドミノがびっしりとスタンバイしていた。 出れるとしたら、ドアか窓の二ヶ所だけ。 その部屋のドアが、唯一の出入り口であり、もう一方の窓は、外からは入れっこない絶壁だから、中から外へ出るためにしか使えない。もっとも、窓をそんなコトに使ったのは初めてだけど。 ・・・ここまではいいかい?」 相槌を求める僕。 由宇「・・・まあ、だいたいわかってるけど。」
/619ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9848人が本棚に入れています
本棚に追加