第六話 密室

30/67
前へ
/619ページ
次へ
一応断っておくと、僕が二階から飛び降りるなんて正気の沙汰じゃない暴挙に躍り出たのは、生まれて初めてだった、と明記しておく。 もしあんなコトが日常化してたら、狂気の沙汰でしかない。 ・・・状況整理を続けよう。 僕「まずは、ドアの方。このドアは内開きで、カギは付いていない。 それで君は深夜未明、ドミノの束を持ってきて、まず普通にこのドアから侵入した。 それからドアに、僕への嫌がらせ用のメモ書きをはっつけて、ドミノをせっせと並べ立てた。 ・・・それくらいは素人の僕でも推理できる。 ・・・しかし、問題はその後、どうやって部屋から出るかだ。」 由宇「・・・?、ドアから出たら済む話じゃない。」 僕「そのドアの周りに、ドミノが並べてあっただろうが!きっちり稼働範囲に被さるように、ぎっしりと! 一センチでも開けたらドミノが崩れ始めるようにセットしておいて、惚けるなッ!」 由宇「・・・ああ、そうだったわね。じゃあ、窓はどう?」 僕「僕が起きた時には、窓はちゃんと閉まっていた。僕が解錠するまで施錠されていたんだ。カギの部分には細工されてなかったと思う。よって、由宇が窓から脱出するのは無理なんだ。」 由宇「・・・つまり、何が言いたいの?」
/619ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9848人が本棚に入れています
本棚に追加