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「色番号を間違えるとはどういうことだ!」
「お弟子さんに聞いたら渡してくれたんですよう!」
「馬鹿か!その弟子が役に立たないから完成しなかった事は事前の調査でわかっていたはずだろうが!!!」
「………え?」
ソフィの開いた口は二の句を継げない。そんな情報すっかり忘れていたのだから…。
「お前まさか…」
「…うふっ!」
可愛く笑って許して貰えるとは思っていないが…案の定、鬼塚の顔は緩むどころか阿修羅と化していって…
「ご…ごめんなさあ~い!!!」
「お・前・は・・・・―――!!!!」
殴って解らせてやろうと拳を持ち上げた鬼塚は、胸ポケットからの呼出し音にその手を下ろして通信機を取った。
その瞬間をソフィは見逃さない。駆け足で逃げ出したのだ。
黙って怒られていたほうが後から倍にならずに済むのに、そこまで理解できるほど要領が良くない。
「は…?…ソフィをだって!?」
鬼塚は立ち去るソフィを見ながら通信機の相手に思わず声を荒げ、そして通信の切れたそれをポケットにしまうと嘆息しながら頭を掻いたのだった。
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