プロローグ

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同じ顔の男が男に向かって銃を突き付ける。 「…ははっ…お前がいると言うことは完成したのか…ふははっ!」 男は今にも殺されると言うのに、怯えるどころか喜びが勝って仕方ない。 「これで終わりだ」 相手が言った。 「終わる訳無いさ。お前にあの子は殺せないからな」 男は笑った。 笑うしかない。 不気味な笑い声と共に上がった銃声は一つだった。 それなのに… 「ぐっ…」 撃った男も苦しみだす。 苦しみの中で、二人の男達は天を仰いで口々にこう言った。 「あの子がいるかぎり…世界は変わらない」 「あの子がいるからこそ…世界を変えて見せる」 しばらくして、銃声に気付いた町の住人が現場に向かうと、笑いながら死んでいる一人の男を発見したのだった。
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