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新歴75年3月―――
「俺が機動六課に異動……ですか?」
陸士部隊の制服に身を包んだ青年が、目の前の上司と思われる男性に疑問を投げかける。
「そうだ、これが転属命令の書類だ」
と、一通の封書を手渡される。
その封書には確かにオルダ・ギブソン、と青年の名前が書かれている。
「もうOK出してしまったんですか?」
と、ため息混じりに上司に問う。
「あぁ、是非ともということだったし、なにより君にはいい経験になると思ってね」
オルダはもう一度ため息をつく。
機動六課と言えばロストロギアを扱う部門として新設される部隊で、そこに集う局員は精鋭ばかりであった。
つまり、この部隊での任務は危険度が高いことを意味している。
正直、経験より安全性が欲しいオルダにとって、この異動は意に反するものだったが、上からの命令なので逆らえるはずもない。
「分かりました」
上司はよしと頷く。
「異動は一ヶ月後だ、それまでに準備をすませておいてくれ」
「はい」
この一ヶ月後、正式に機動六課に出向となるわけだが、この選択がこの後のシナリオに大きく関わってくる。
それは八神はやてにも、ましてやオルダ本人にも知る由もない。
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