第三章

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「その人の位置は?」 「今から送るです」 三人の端末に、赤い印が付いた地図データが送られて来た。 (高町は現場指揮だし、ハラオウンもここから外すのは得策ではないな) オルダはそう考え、リィンに提案する。 「俺が確認してきます。なにかあったら連絡します」 「了解です!」 リィンはなのはとフェイトにこの提案を伝える。なのは達は少し考えた後、承諾した。 なのは達は私が行くよ、と言いたかったのかもしれないが、現場指揮を任された以上、この場を離れられなかった。 「気をつけてね」 「了解」 なのは達の気遣いを手短に返し、誘導弾でガジェットを牽制しながら戦線を離脱した。 そして、地図を頼りに飛行を続けると、木々の間に森とは不調和な青いスーツを着た短髪の人物がいた。 オルダはその人物を警戒しながら地上に降りていく。 「そこの人、なんでこんなところにいるんだ。事情を聞かせてもらおうか」 オルダの問い掛けに反応して、その人物はゆっくりと、静かにこちらに振り返った。  
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