第三章

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  「どこに行くんだ!」 その行動が、自分を眼中にもないことを示しているのを理解したオルダの声は荒い。 「レリックはそちら側に確保されたからな、自分の家に帰るだけだ」 ロストナンバーはそれだけ言い残すとその場から転位してしまった。 オルダは慌ててロックをかけるが、ロストナンバーは多重転位で移動したのか、直ぐに外れてしまった。 「くそっ……!」 唯一、自分の疑問に答えてくれる人物を逃したオルダの心中は暗い。 「オルダ君、そっちは大丈夫?」 「すまん、目標は逃した」 オルダの前にモニターが現れ、そこになのはが制服姿で映っていた。 「そう、残念だったけど仕方ないね。それより何かあった?」 モニター越しに見える表情が普段より暗いことを心配するなのは。 「少し……な」 歯切れ悪く答えるオルダ。その様子に何かを感じたなのはは、これ以上の詮索を止めた。 「わかった。今からヘリでそっちに向かうからちょっと待っててね」 「了解」  
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